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【2025年4月施行】建築基準法改正「4号特例縮小」で水まわりリフォームはどう変わる?

2025/03/31(月) 

「最近よく聞く『4号特例縮小』って何?」

「うちのリフォームにも影響があるの?」

「費用や工期は変わる?」

 2025年4月1日に施行された改正建築基準法により、「4号特例」が縮小されました。特に木造戸建て住宅のリフォームに関わる大きな変更であり、多くのリフォーム検討者様や事業者様がその影響に関心を寄せています。

これまで確認申請が不要だった規模のリフォームでも、今後は申請が必要になるケースが出てくるため、「手続きが面倒になるのでは?」「費用が余計にかかるのでは?」といった不安の声も聞かれます。

 しかし、結論から言うと、一般的なキッチン・お風呂・トイレなどの水まわりリフォームであれば、今回の法改正による影響はほとんどありません。

 この記事では、建築基準法改正による4号特例縮小のポイント、リフォームへの具体的な影響、そしてなぜ水まわりリフォームには影響がないのか、さらにリフォーム会社や施主が取るべき対策について、専門サイトの情報なども踏まえ、最新情報を解説します。

1. なぜ建築基準法が改正されたの?「4号特例縮小」とは?

今回の建築基準法改正の背景には、主に以下の目的があります。

  • 建物の安全性の確保・向上: 確認申請時の審査(特に構造安全に関わる部分)を省略せずに行うことで、建物の安全性を確保し、現行の耐震基準などを満たさない「既存不適格建築物」を減らしていく。

  • 省エネ性能の向上: 住宅・建築物の省エネ基準への適合を段階的に義務化し、脱炭素社会の実現に貢献する(※リフォームにおいては、今回の4号特例縮小とは別の規定で影響)。

  • 既存住宅ストック(中古住宅)の活用促進: 確認申請手続きを通じて建物の状況を適切に把握し、適切な維持管理や質の高い改修(リフォーム・リノベーション)を促すことで、良質な中古住宅が安心して流通・活用される市場を目指す。

 

1-1. 「4号建築物」と「4号特例」とは?

建築基準法では、建物を規模や用途によって1号から4号に分類しています。このうち「4号建築物」とは、主に小規模な木造建築物を指し、改正前は以下のいずれかに該当するものでした。

  • 木造:2階建て以下、かつ延べ面積500㎡以下、かつ高さ13m以下、軒高9m以下

  • 木造以外(鉄骨造など):平屋建て、かつ延べ面積200㎡以下

 

 そして「4号特例」とは、この4号建築物を新築・増改築・大規模修繕/模様替する際に、建築士が設計・工事監理を行えば、建築確認申請における構造関係規定等の審査を省略できるという制度でした。手続きが簡略化されていたのです。

1-2. 何がどう変わった?「4号特例縮小」の内容

今回の法改正(2025年4月1日施行)で、この4号建築物の定義と特例が見直され、特例の対象範囲が縮小されました。

  • 【新:2号建築物】木造平屋建て かつ 延べ面積200㎡以下

    • →引き続き審査省略の特例(新:2号特例)が適用されます。

  • 【新:3号建築物】木造2階建て または 木造平屋建てで延べ面積200㎡超

    • →これまで4号建築物だったこれらの多くが「新3号建築物」に移行しました。

    • →新3号建築物は、確認申請時の構造関係規定・省エネ関係規定の審査省略が適用されなくなりました。

 

 つまり、一般的な木造2階建て住宅などで、一定規模以上のリフォーム(大規模の修繕・模様替)を行う場合、これまで不要だった構造関係等の審査を含む確認申請(および完了検査)が必要になった、ということです。

 

【ポイント】

  • 対象: 主に木造2階建て住宅、または木造平屋で延べ面積200㎡超の住宅

  • 変更点: 大規模なリフォーム(修繕・模様替)で確認申請(構造・省エネ審査含む)が原則必要に

  • 施行日: 2025年4月1日~

2. 4号特例縮小が「リフォーム」に与える具体的な影響

 今回の法改正でリフォームにおいて最も注意が必要なのは、「大規模の修繕・模様替」に該当する場合です。

 

2-1. 確認申請が必要になるリフォームとは?

「大規模の修繕・模様替」とは、建築基準法で「建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕・模様替」と定義されています。

「主要構造部」とは、以下の6つの部分です。

壁(耐力壁など構造上主要な壁)、柱、床(構造耐力上主要な部分)、梁(はり)、屋根、階段

 これらのいずれか1種類以上について、その半分(過半)を超える範囲を工事する場合が「大規模」に該当し、新3号建築物(多くの木造2階建て等)では確認申請が必要になります。

「過半」とは具体的にどう判断する?

国土交通省の資料や専門家の見解によると、以下のような基準で判断されます。

  • 壁: その種類の壁全体の長さまたは面積の過半

  • 柱: その種類の柱全体の本数の過半

  • 床: その種類の床全体の面積の過半

  • 梁: その種類の梁全体の本数の過半

  • 屋根: 屋根全体の面積(水平投影面積)の過半

  • 階段: 階段の架け替え(一部ではなく全体を取り替えるような場合や、構成要素の過半を変更する場合)

 

【確認申請が必要になるリフォームの具体例】

  • 屋根の葺き替えで、下地の垂木まで交換する範囲が屋根全体の面積の過半になる。

  • 間取り変更などで、構造上主要な壁を解体・移動する範囲が壁全体の面積の過半になる。

  • 床の張り替えで、下地の根太まで交換する範囲が床全体の面積の過半になる。

  • 柱や梁を交換・補強する本数が、全体の総本数の過半になる。

  • 階段の過半を架け替える。

 

 これらの工事は、建物の構造安全性に大きく関わるため、専門家(建築士)によるチェック(確認申請)が必須となったのです。

 

2-2. 確認申請が必要になると、何が変わる?

確認申請が必要になると、リフォーム工事に以下のような影響が出ます。

  • 手続きの追加と期間の長期化:

    • 建築士による現況調査、図面作成(構造計算が必要な場合も)

    • 役所や指定確認検査機関への確認申請書類の提出

    • 審査期間(通常1〜2ヶ月程度、構造計算の要否や適否判定の有無、混雑状況により変動)

    • 工事完了後の完了検査申請と検査 業界関係者からは、申請準備から許可が下りるまでに1~2ヶ月程度を見込む声があり、工事開始までの期間が延びる可能性があります。

  • コストの増加:

    • 確認申請手数料

    • 建築士への設計・調査・申請代行費用 上記含む35万程度

    • 構造計算が必要な場合は構造計算費用(+数十万円〜)

    • さらに「構造計算適合性判定(適判)」が必要な場合は、その手数料と審査期間が追加(+数十万円、+1ヶ月半程度) 専門家の間では、確認申請に関わる費用全体で数十万円以上の追加コストが発生する可能性があると指摘されています。

  • 専門家の関与が必須に: 確認申請は建築士が行う必要があります。リフォーム会社に建築士が在籍していない場合は、外部の設計事務所との連携が不可欠です。

  • リフォーム会社の対応: 確認申請業務への対応力(社内体制、外部連携)、施主への正確で丁寧な説明責任がより重要になります。

  • 施主への影響: リフォーム開始までの期間長期化、総費用の増加、希望通りの工事が構造上の理由で難しくなる可能性、といった点が挙げられます。

 

2-3. 懸念される点

今回の法改正により、以下のような点が懸念されています。

  • 大規模リフォーム需要への影響: 手続きの煩雑化やコスト増により、大規模なリフォームをためらうケースが出てくる可能性があります。

  • 予期せぬ確認申請の発生: 当初は小規模な改修予定でも、工事中に構造部分の問題が見つかり、結果的に「大規模の修繕・模様替」に該当し、急遽確認申請が必要になるリスクが指摘されています。

 

2-4. 注意点:既存不適格建築物と省エネ基準

  • 既存不適格建築物: 建築当時の基準では合法でも、現行の耐震基準などを満たしていない建物を「既存不適格建築物」といいます。このような建物で大規模の修繕・模様替を行う場合、原則として建物全体を現行の建築基準(耐震・防火など)に適合させる必要が生じることがあります。これは非常に大きな費用と工事期間を要するため、特に古い木造住宅のリフォームでは計画段階での慎重な調査・検討が不可欠です。

  • 省エネ基準への適合義務: 2025年4月から、新築時には省エネ基準への適合が義務化されました。リフォームにおいては、増改築を行う部分などが省エネ基準への適合を求められる場合があります。断熱改修などを検討する際は、この点もリフォーム会社に確認しましょう。

 

3. 【朗報】一般的な「水まわりリフォーム」は影響なし!

 ここまで読むと、「リフォームが大変になりそう…」と感じるかもしれませんが、繰り返しになりますが、多くの一般的なリフォーム、特に水まわり設備(キッチン、お風呂、トイレ、洗面台)の交換リフォームは、今回の4号特例縮小の影響をほとんど受けません。

3-1. なぜ水まわりリフォームは影響がないのか?

 その理由は、一般的な水まわりリフォームが「大規模の修繕・模様替」(主要構造部の過半の改修)に該当しないためです。建築基準法第6条第1項第四号で定める「軽微な変更」の範囲内と解釈されることがほとんどです。

  • キッチン交換: キッチンの入れ替えは、通常、壁の仕上げ(キッチンパネル等)や床の内装変更にとどまり、主要構造部(柱、梁、耐力壁など)を過半にわたって変更しません。

  • ユニットバス交換: 在来浴室からユニットバスへの交換や、ユニットバスの入れ替えも、基礎や土台の一部補修はあっても、主要構造部の大規模な変更には通常あたりません。

  • トイレ・洗面台交換: 同様に、これらの設備の交換や関連する内装工事も主要構造部には影響しません。

 

確認申請が不要な事例として、関係省庁の資料などでも「水回り単体のリフォーム(キッチン、トイレ、ユニットバスの交換)」が挙げられています。

 

3-2. 確認申請が不要なリフォームの例(水まわり以外も)

水まわり以外でも、以下のようなリフォームは基本的に確認申請が不要です(ただし、新3号建築物の場合)。

  • 主要構造部以外の改修: 間仕切り壁の変更、造作家具の設置、給排水設備や電気設備の交換・更新。

  • 内装工事: 壁紙の張り替え、床材の張り替え(構造用合板など構造部分に影響しない範囲)。

  • 外装工事: 外壁塗装、屋根塗装、カバー工法(既存の上に被せる工法で、下地の主要構造部を過半変更しない場合)。

  • 部分的な補修: 柱や梁の交換・補修が全体の過半に満たない場合。

  • バリアフリー工事: 手すりの設置、スロープの設置。

  • 防火・準防火地域外での10㎡以内の増築(※これは増築の場合の規定)。

【重要】ただし、これらの工事でも、他の工事と合わせて結果的に「主要構造部の過半の修繕・模様替」に該当すれば、確認申請が必要になります。必ず個別のケースごとに専門家へ確認が必要です。

 

4. まとめ

 

 2025年4月施行の建築基準法改正による「4号特例縮小」は、主に木造2階建て住宅などの大規模なリフォーム(主要構造部の過半の修繕・模様替)に影響し、確認申請(構造・省エネ審査含む)が原則必要となりました。これにより、手続きの追加、期間の長期化、コスト増といった影響が生じます。

 しかし、キッチン・お風呂・トイレといった一般的な水まわり設備の交換リフォームは、通常「大規模の修繕・模様替」に該当しないため、今回の法改正による影響はほとんどありません。 水まわりリフォームをご検討中の方は、過度に心配なさらないでください。

 

 一方で、間取りの大幅な変更や構造躯体に関わる大規模リノベーション、あるいは古い住宅のリフォームを計画している場合は、確認申請の要否、既存不適格への対応、省エネ基準などを踏まえた慎重な検討が必要です。

 今回の法改正は、より安全で質の高い住まいを増やしていくための重要なステップです。リフォームを成功させるためには、最新の正しい情報を理解し、信頼できる専門家としっかりとコミュニケーションを取りながら、計画的に進めていくことが何よりも大切です。

 

 

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