「そろそろ我が家もリフォームを」と考え始めたあなた。
夢のキッチン、快適なバスルーム、広々としたリビング…想像するだけでワクワクしますよね。しかし、その夢を託すリフォーム会社・工務店選びで、大きな落とし穴にはまる可能性があることをご存知でしょうか?
それは、リフォーム工事中の会社の倒産です。
今、建設業界はかつてない逆風にさらされており、残念ながら宮崎県内でも、明日の経営が危ぶまれる会社は決して少なくありません。
高額な契約金を支払ったのに工事がストップしてしまった、追加費用を請求された、連絡が取れなくなった…そんな悪夢のような事態は、決して他人事ではないのです。
この記事では、なぜ今倒産が増えているのかという背景から、倒産がもたらす具体的なリスク、そしてあなたが悪質な業者や倒産リスクのある会社を避け、心から信頼できるパートナーを見つけるための具体的な方法を、財務のプロの視点と現場のリアルな視点から徹底的に解説します。
あなたの数百万円、時には一千万円を超える大切なお金と、家族との幸せな未来を守るために、ぜひ最後までじっくりとお読みください。
「最近、建設会社の倒産のニュースをよく聞く…」と感じていませんか?その感覚は正しく、今、建設業界は深刻な危機に直面しています。主な原因は以下の3つです。
木材価格が急騰した「ウッドショック」に始まり、鉄骨の「アイアンショック」、さらにはエネルギー価格や物流コストの上昇が続いています。木材価格はコロナ禍以前と比較していまだに2〜3割も高い水準で推移しており、建設コストを直接圧迫しています。
問題なのは、こうした急激なコスト増を、リフォーム価格へ適切に転嫁できていない会社が多いことです。結果として、仕事はたくさんあるのに利益が出ない「利益なき繁忙」という状態に陥り、自転車操業の末に資金繰りが破綻してしまうのです。
帝国データバンクの調査によると、2024年上半期の「人手不足倒産」は過去最多を更新し、その中心は建設業でした。長年の課題であった職人の高齢化に加え、2024年4月から始まった時間外労働の上限規制(2024年問題)が追い打ちをかけています。
これにより、工期が長期化し人件費が増加。会社の生産能力は急速に低下しており、人手不足が経営を直接圧迫するケースが急増しています。
日本銀行のマイナス金利政策解除以降、住宅ローン金利は上昇傾向にあります。特に長期固定金利の代表である「フラット35」は1.8%台まで上昇し、変動金利も追随する動きを見せています。
これにより、リフォームや新築を考えていた人々が「もう少し様子を見よう」と契約をためらうケースが増加。将来の仕事の受注見通しが立たなくなり、多くの会社の資金繰り計画に影を落としています。
では、もし契約した会社が倒産してしまったら、具体的にどのような被害を受けるのでしょうか。甘い見通しは禁物です。
最も直接的で甚大な被害が、前払金の消失です。リフォームでは契約時や着工時に数百万円の契約金・着工金を支払うのが一般的ですが、会社が倒産した場合、このお金が返ってくる可能性はほぼありません。倒産直後、現場は資材が散乱したまま放置されることがほとんどで、特に「完成保証制度」に未加入の場合、支払ったお金が戻る望みはゼロに近いと言えます。
工事を途中で引き継いでくれる別の業者を探す必要がありますが、その費用は通常よりも割高になります。中途半端な状態からの工事再開は手間がかかるため、新規で契約するよりも高額な見積もりになるのです。さらに悲惨なケースでは、引き継ぎ先も倒産してしまうという「負の連鎖」に陥り、被害が拡大することもあります。
倒産間際の資金繰りに窮した会社は、コストを削減するために安価で粗悪な材料を使ったり、必要な工程を省いたりする手抜き工事に走りやすくなります。特に多重下請け構造の現場では検査体制も甘くなりがちで、欠陥が隠蔽される恐れも。こうした隠れた瑕疵(欠陥)は、引き継いだ業者が責任を負ってくれないため、後々大きな問題となります。
「10年保証」といった長期保証を約束していても、会社自体がなくなってしまえば、その約束はすべて無効になります。工事後に雨漏りなどの不具合が発生しても、メンテナンスを頼む先がなくなり、修理はすべて自己負担となってしまいます。「住宅瑕疵担保責任保険」に未加入だと、補修費用を請求することもできず、泣き寝入りするしかありません。
このように、リフォーム会社の倒産は、単にお金を失うだけでなく、あなたの生活設計そのものを根底から覆す、まさに「最悪の事態」なのです。
「会社の経営状態なんて、素人にはわからない」と思いますよね。
しかし、いくつかの重要なポイントを知っておくだけで、危険な会社を見抜く精度は格段に上がります。ここでは、経営のプロが指摘する「危ない会社」の財務的な特徴を、分かりやすく解説します。
これは、健全な経営をしている会社であれば、決して隠すような情報ではないからです。もし担当者が渋ったり、「社外秘なので…」とはぐらかしたりした場合は、その時点で危険信号と判断してよいでしょう。
正直に決算書を見せてくれた場合は、以下の3つのポイントをチェックしてみてください。
自己資本比率とは?
会社の全財産のうち、返済不要の自分のお金(自己資本)がどれくらいの割合を占めるかを示す数値です。「会社の体力」や「安全性」を示す最も重要な指標の一つです。
目安は?
業種によって異なりますが、建設業の場合、できれば20%~30%あるのが理想です。これが10%を下回っていたり、ましてやマイナス(債務超過)だったりする会社は、借金に頼った経営、つまり自転車操業に陥っている可能性が非常に高いと言えます。
なぜ危険?
自己資本比率が低い会社は、少しでも資金繰りが悪化すると、すぐに経営が立ち行かなくなります。金融機関からの追加融資も受けにくいため、倒産リスクが極めて高い状態です。
営業利益とは?
会社が本業(リフォーム工事など)でどれだけ儲けたかを示す利益のことです。売上高から、材料費や人件費などの原価・経費を差し引いたものです。
なぜ重要?
ここが赤字ということは、「リフォーム工事をやればやるほど損をする」という異常事態を意味します。本業で稼げていないため、銀行からの借入や資産の売却でなんとか凌いでいる状態かもしれません。
注意点
設立間もない会社や、大規模な設備投資をした年などは、一時的に赤字になることもあります。
しかし、2期、3期と連続して営業赤字が続いている場合は、事業の構造そのものに問題があり、極めて危険な兆候です。
急増している場合
一見、業績が良いように見えますが、注意が必要です。身の丈に合わない受注を詰め込み、現場が回っていない可能性があります。その結果、品質の低下を招いたり、資金繰りが追いつかなくなったりして、黒字なのに倒産する「黒字倒産」のリスクも考えられます。
急減している場合
これは言わずもがな、経営が悪化している直接的なサインです。顧客からの信頼を失い、仕事が取れなくなっている可能性があります。
安定した経営をしている会社は、売上高も比較的安定しているか、緩やかに右肩上がりで成長しているものです。極端な変動は、何らかの経営問題を抱えているサインかもしれません。
【コラム】決算書を見せてもらえない…そんな時の「裏ワザ」調査術
決算書を見せる義務はありませんが、優良な会社ほど自社の健全性をアピールしたいと考えているものです。
提示を拒否されたとしても、諦める必要はありません。会社の状況を調べる方法は他にもあります。
基本姿勢は「毅然と断る勇気」
まず、「お客様の大きなお金を預かる以上、会社の健全性をご説明いただくのは当然だと考えております。それが難しいのであれば、今回はご縁がなかったということで…」と、毅然とした態度で断る勇気を持つことが大前提です。あなたの身を守るための重要な一歩です。
業界内の「生の声」を聞く
もし知り合いに別の建設会社や建材店、職人さんなどがいるなら、これほど頼りになる情報源はありません。「〇〇工務店さんって、最近どう?」と評判を聞いてみましょう。業者間の支払いが遅れていないか、職人さんへの対応はどうかなど、内部に近いリアルな情報が得られることがあります。
公的・公開情報を活用する
信用調査会社の情報を調べる: 東京商工リサーチや帝国データバンクといった信用調査会社が企業の経営情報を調査・提供しています。有料ですが、最も確実な情報の一つです。また、規模の大きな図書館(例えば宮崎県立図書館など)では、これらの企業情報誌を閲覧できる場合があります。司書の方に尋ねてみると良いでしょう。
これらの情報を組み合わせることで、決算書がなくとも、その会社の経営状況をある程度推測することが可能です。
決算書のような専門的な情報だけでなく、普段のやり取りや会社の様子からも、危険な兆候は見て取れます。宮崎市内で業者と打ち合わせをする際に、ぜひ役立ててほしい10のチェックリストです。
✅ 1. 契約をやたらと急がせる
「今日契約してくれれば〇〇万円値引きします!」「このキャンペーンは明日までです!」といったセールストークは危険信号。顧客に冷静に考える時間を与えず、勢いで契約させようとするのは、会社の資金繰りが苦しい裏返しかもしれません。
✅2. 大幅すぎる値引きを提示してくる
相見積もりを取った際に、他社より明らかに安すぎる見積もりを提示してくる会社には注意が必要です。適正な利益を確保できなければ、手抜き工事につながったり、後から追加費用を請求されたりする可能性があります。そもそも、持続可能な経営ができていない証拠でもあります。
✅ 3. 見積書の内容が「一式」ばかりで大雑把
「〇〇工事一式」といった項目ばかりで、材料の単価や数量、メーカー名などの詳細な記載がない見積書は要注意です。どんぶり勘定で、後からどうとでも言い訳ができてしまいます。誠実な会社は、誰が見ても分かりやすい、透明性の高い見積書を作成します。
✅ 4. 事務所や社用車が不潔・乱雑
事務所の整理整頓は、社内の規律や社員の精神状態を映す鏡です。書類が山積みだったり、掃除が行き届いていなかったりする会社は、現場の管理もずさんである可能性が高いでしょう。社用車が汚れていたり、凹んでいたりするのも同様です。
✅ 5. 担当者が頻繁に変わる
打ち合わせのたびに担当者が代わる、連絡しても「前任の〇〇は退職しました」と言われる。これは、社員が定着しない、つまり労働環境が悪い会社の典型的な特徴です。良い人材が育たず、顧客への責任ある対応も期待できません。
✅ 6. 社長の羽振りが良すぎる(ように見える)
会社の規模に見合わない高級車に乗っていたり、高価な腕時計をしていたり…。もちろん、経営が順調な証拠である場合もあります。しかし、会社の経費と個人の支出の区別がついていない「公私混同」タイプの経営者である可能性も。会社の利益を社員や顧客に還元せず、自分のためだけに使っている場合、経営が傾いたときに会社を立て直す力はありません。
✅ 7. 建設業許可や各種資格を提示できない
500万円以上のリフォーム工事を請け負うには、都道府県知事または国土交通大臣から「建設業許可」を受ける必要があります。これは、経営能力や技術力に関する一定の基準をクリアした証です。許可の有無は必ず確認しましょう。また、「建築士」や「施工管理技士」といった国家資格を持つスタッフが在籍しているかも、技術力を測る重要な指標です。実際の店舗・会社に足を運びましょう。
✅ 8. ホームページの実績が古い・具体性がない
施工実績のページが何年も更新されていなかったり、「宮崎市・A様邸」のような曖昧な表記ばかりで、工事内容やお客様の声が具体的に書かれていなかったりする場合は注意が必要です。本当に多くの顧客から信頼されている会社は、豊富な実績を自信をもって公開しているはずです。
✅ 9. 保証やアフターサービスの説明が曖昧
「何かあればすぐ駆けつけますから!」と口では言っていても、具体的な保証内容や期間、点検のスケジュールなどを書面で示してくれない会社は信用できません。工事が終われば関係も終わり、と考えている可能性があります。
✅ 10. レスポンスが遅い・態度が不誠実
質問に対する返信が何日もなかったり、電話での態度が横柄だったりするのは、顧客を大切にしていない証拠です。このような会社は、工事中にトラブルが発生した際も、誠実な対応は期待できないでしょう。
これらのチェックリストのうち、3つ以上当てはまるような会社は、契約を慎重に検討すべきです。
では、危険な会社を避けた上で、どうすれば宮崎市で本当に信頼できるパートナーを見つけられるのでしょうか。具体的な5つのアクションをご紹介します。
これは鉄則です。1社だけの話を聞いて決めてしまうのは絶対にやめましょう。複数の会社から見積もりを取ることで、以下のメリットがあります。
費用の適正価格がわかる: あなたがやりたいリフォームの宮崎市における相場観が養われます。
提案内容を比較できる: 各社のデザイン力や提案の幅を知ることができます。
担当者の人柄や会社の姿勢を比較できる: あなたの要望を親身に聞いてくれるか、専門家として的確なアドバイスをくれるかなど、対応の違いが見えてきます。
リフォーム瑕疵保険とは、工事中の倒産や、工事後に見つかった欠陥(瑕疵)から、施主であるあなたを守ってくれる保険制度です。
倒産時のメリット: 会社が倒産した場合、前払金や、工事を引き継ぐための追加費用が保険金として支払われます(上限あり)。
登録事業者であることの意味: この保険に登録できるのは、過去の業務実績や財務状況など、一定の審査をクリアした事業者だけです。つまり、「瑕疵保険の登録事業者である」ということ自体が、会社の信頼性を客観的に示す一つの証になるのです。
打ち合わせの際に、「御社はリフォーム瑕疵保険の登録事業者ですか?」
「今回の工事で瑕疵保険に加入することは可能ですか?」と必ず質問しましょう。
インターネットの口コミサイトも参考になりますが、中には自作自演や、逆に不当な誹謗中傷も含まれます。より信頼性が高いのは、あなたの身近にいる人からの情報です。
知人・友人に聞く: 宮崎市内で最近リフォームをした知人や友人がいれば、ぜひ話を聞いてみましょう。満足した点、不満だった点など、リアルな体験談は非常に参考になります。
近所の評判: 気になっている工務店があれば、その会社の近くで聞き込みをしてみるのも一つの手です。「〇〇工務店さんって、評判どうですかね?」と尋ねれば、地元の人が知っている情報が聞けるかもしれません。
多くのリフォーム会社や工務店が、実際に手掛けた物件の完成見学会や、リフォーム相談会を定期的に開催しています。
仕事の質を直接確認できる: 図面や写真だけではわからない、仕上げの丁寧さや空間の質感を自分の目で確かめる絶好の機会です。
会社の雰囲気やスタッフの人柄がわかる: イベントを運営するスタッフの対応から、その会社の文化や顧客への姿勢を感じ取ることができます。
宮崎市内のイベント情報をチェックし、積極的に参加してみましょう。
会社の信頼性を客観的に測る指標として、以下のような情報を確認しましょう。
これらは通常、会社の玄関先、ホームページやパンフレットに記載されています。
建設業許可番号: 「宮崎県知事 許可(般-XX)第XXXXX号」といった番号です。
加盟団体: 「LIXILリフォームネット」や「TOTOリモデルクラブ」といった大手メーカー系のネットワークや、「(一社)日本住宅リフォーム産業協会(JERCO)」などの業界団体に加盟しているかどうかも、一つの目安になります。これらの団体は、加盟にあたって独自の基準を設けていることが多いからです。
宮崎市で理想のリフォームを実現するためには、デザインや間取りを考えるのと同じくらい、いや、それ以上に「どの会社に頼むか」という業者選びが重要です。
特に、資材高騰・人手不足・金利上昇というトリプルパンチに業界全体が苦しむ今、会社の経営体力を見極める視点は不可欠です。
今回ご紹介した、
財務のプロが見る3つの危険な兆候(自己資本比率・営業利益・売上高)
日常のやり取りで見抜く10の観察リスト
信頼できる会社を見つける5つの具体的なアクション
これらの知識を武器にすれば、倒産リスクのある危険な会社を避け、あなたの家づくりを心から安心して任せられる、宮崎の優良な工務店・リフォーム店を見つけられるはずです。
リフォームは、あなたの家族の未来を創る大きな投資です。焦らず、じっくりと情報を集め、比較検討し、あなたが「この会社なら間違いない」と確信できるパートナーを見つけてください。この記事が、あなたの素晴らしいリフォームの第一歩となれば幸いです。