ネット購入トイレ・洗面台：取付お断り？後悔しないための対策

ネット購入トイレ・洗面台

取付お断り？後悔しないための対策

ネットでトイレや洗面台を安価に購入できるのは魅力的ですが、取り付け工事で思わぬトラブルに遭遇する可能性があります。

　安価な商品をネットで購入されるお客様の中には、残念ながら既存の設備や配管との規格が適合しなかったり、事前の現場調査が不十分であったりするケースが見受けられます。

　このような場合、取り付けができない、あるいは追加の工事が必要となり、結果としてお客様のご希望に沿えず、やむを得ずお断りする判断に至ることがあります。

　弊社では、基本的にお客様がネットで購入された機器の取り付けのみの依頼をお断りしています。

　この記事では、ネットで住宅設備を購入する際に後悔しないための注意点と、取り付けをスムーズに進めるための対策について解説します。

1.ネット購入のトイレ・洗面台、取付お断りの現状

なぜ取付を断られるのか？
　ネットで購入したトイレや洗面台の取付を業者に依頼する際、まれに「取付お断り」されるケースがあります。この背景には、いくつかの理由が存在します。業者側の都合やリスク、技術的な問題などが複合的に絡み合っているのが現状です。

　近年、インターネット通販の普及により、住宅設備機器をオンラインで購入する人が増えています。しかし、いざ取付を業者に依頼しようとすると、断られてしまうケースが少なくありません。これは、業者側が抱える様々な事情が影響しているためです。単純に人手不足ということも考えられますが、それ以外にも重要な理由が存在します。消費者は、この現状を理解し、事前に適切な対策を講じる必要があります。取付をスムーズに進めるためには、業者側の事情を考慮し、信頼関係を築くことが重要です。事前にしっかりと情報を収集し、業者と綿密なコミュニケーションを取ることで、取付お断りのリスクを減らすことができます。

考えられる理由：保証問題と責任の所在
　取付業者は通常、自社で販売した商品に対して、取付後の不具合や故障に対する保証責任を負います。

　これは、販売から取付、アフターフォローまでを一貫して行うことで、責任の所在を明確にするためです。しかし、ネット購入品の場合、業者は商品を販売していないため、保証責任の範囲が曖昧になります。万が一、取付後に商品に不具合が発生した場合、誰が責任を負うのかが問題となる可能性があります。

　特に、初期不良や輸送中の破損などが考えられる場合、責任の所在を特定することが困難になります。そのため、業者側はリスクを避けるために、ネット購入品の取付を敬遠する傾向があります。

　また、保証期間中の対応についても、メーカーとの連携が必要になるなど、手間がかかることも理由の一つです。このような保証問題を避けるため、業者側は自社で販売した商品に限定して取付を行うことが多くなっています。消費者は、この点を理解した上で、ネット購入の際には保証内容をしっかりと確認する必要があります。

2.考えられる理由：技術的な問題とリスク

　ネットで購入した製品の中には、残念ながら品質が低いものや、取付に必要な部品が不足しているものも存在します。また、海外製品の場合、日本の規格に適合していないこともあります。このような場合、取付作業が困難になったり、追加の部品が必要になったりする可能性があります。業者側で対応できない可能性や、追加費用が発生するリスクを考慮して、取付を断られることがあります。

　さらに、取付作業中に製品が破損してしまった場合、業者側は責任を負わされる可能性があります。特に、安価な製品の場合、耐久性が低く、取扱いに注意が必要な場合があります。業者側は、このようなリスクを避けるために、実績のないメーカーの製品や、品質に不安がある製品の取付を敬遠する傾向があります。消費者は、ネット購入の際には、製品の品質や安全性を十分に確認する必要があります。また、取付業者に事前に製品情報を伝え、取付可能かどうか確認することが重要です。信頼できるメーカーの製品を選び、十分な情報収集を行うことで、取付お断りのリスクを減らすことができます。

取付お断りを避けるための対策
購入前に確認すべきこと：製品の規格と適合性
　トイレや洗面台をネットで購入する前に、必ず自宅の配管や排水口の規格に適合しているかを確認しましょう。規格が合わない場合、取付ができなかったり、別途工事が必要になったりする可能性があります。メーカーの公式サイトや取扱説明書で詳細を確認するか、専門業者に相談するのがおすすめです。特に、古い住宅の場合は、現在の規格と異なる場合があるため、注意が必要です。

排水芯の距離や給水管の位置など、細かな部分まで確認することが重要です。また、集合住宅の場合は、管理規約で指定されている製品がある場合もあります。事前に管理会社に確認しておくと安心です。メーカーによっては、適合確認のためのチェックシートや、オンラインでの相談サービスを提供している場合もあります。これらのサービスを活用することで、規格の適合性を簡単に確認することができます。不安な場合は、専門業者に現地調査を依頼し、アドバイスをもらうのが確実です。

購入前に確認すべきこと：必要な部品の確認
　ネットで購入したトイレや洗面台には、取付に必要な部品が全て揃っているとは限りません。特に、海外製品や安価な製品の場合、不足している部品があることがあります。購入前に、必要な部品が全て揃っているか、販売店に確認しましょう。不足している場合は、別途購入する必要があります。必要な部品が不足している場合、取付作業が中断したり、追加費用が発生したりする可能性があります。

例えば、排水管や給水管の接続部品、固定用のネジやパッキンなどが不足していることがあります。また、古いトイレや洗面台から新しいものに交換する場合、既存の部品が再利用できないこともあります。事前に必要な部品をリストアップし、販売店に確認することで、不足している部品を事前に準備することができます。販売店によっては、必要な部品をセットで販売している場合もあります。これらのセットを利用することで、部品の選定の手間を省くことができます。

取付業者選びのポイント：実績と評判
ネット購入品の取付に対応している業者を選びましょう。全ての業者がネット購入品の取付に対応しているわけではありません。実績や評判を確認し、信頼できる業者に依頼することが大切です。業者のウェブサイトや口コミサイトで、実績や評判を確認することができます。TOTOやLIXILなどのメーカー指定の業者も検討しましょう。メーカー指定の業者は、製品知識が豊富で、安心して依頼することができます。

取付業者との交渉術
事前に相談：ネット購入品であることの告知
業者に依頼する前に、必ずネットで購入した商品であることを伝え、取付が可能かどうか確認しましょう。事前に伝えておくことで、当日になって断られるリスクを減らすことができます。

　業者によっては、ネット購入品の取付に追加料金が発生する場合があります。事前に確認しておくことで、後々のトラブルを避けることができます。また、ネットで購入した製品の保証について、業者に確認しておくことも重要です。

業者によっては、ネット購入品の保証に対応していない場合があります。事前に確認しておくことで、安心して取付を依頼することができます。業者に連絡する際には、製品の型番や購入日、購入場所などを伝えると、スムーズに話が進みます。また、製品の写真や取扱説明書を事前に送っておくと、より正確な情報を伝えることができます。

見積もり依頼：詳細な情報を伝える
型番や商品の詳細情報、設置場所の状況などを詳しく伝え、正確な見積もりを依頼しましょう。追加費用が発生する可能性についても確認しておくと安心です。例えば、既存のトイレや洗面台の撤去費用、配管工事の費用、部品代などが追加で発生する可能性があります。事前にしっかりと確認しておくことで、予算オーバーを防ぐことができます。また、見積もりを依頼する際には、複数の業者から見積もりを取り、比較検討することが重要です。

保証の確認：業者独自の保証
業者によっては、取付後の不具合に対して独自の保証を提供している場合があります。保証内容や期間を確認し、安心して依頼できる業者を選びましょう。保証期間中に不具合が発生した場合、無償で修理や交換を行ってくれる場合があります。保証内容には、部品代や出張費などが含まれているかどうかを確認しましょう。また、保証を受けるための条件や手続きについても確認しておくことが重要です。

例えば、保証期間中に定期的なメンテナンスが必要な場合や、特定の部品の交換が必要な場合があります。業者によっては、メーカー保証と合わせて、独自の保証を提供している場合があります。これらの保証を組み合わせることで、より安心して利用することができます。保証内容を比較検討し、自分に合った業者を選びましょう。保証書は大切に保管し、保証期間中に不具合が発生した場合は、速やかに業者に連絡しましょう。

施主支給という選択肢
施主支給とは？
施主支給とは、住宅設備や建材を施主（住宅の建築主やリフォームの依頼主）が自分で購入し、工務店や建築会社に支給して取り付けてもらう方法です。通常、住宅設備や建材は、工務店や建築会社が選定・購入し、工事費に含めて請求されます。しかし、施主支給の場合、施主が自分で商品を選び、購入することで、費用を抑えたり、自分の好みに合った商品を選んだりすることができます。

　ただし、施主支給にはメリットだけでなく、デメリットも存在します。事前にしっかりと検討し、工務店や建築会社と十分な打ち合わせを行うことが重要です。施主支給を検討する際には、複数の工務店や建築会社に見積もりを依頼し、施主支給が可能かどうか、また、施主支給の場合の費用について確認しましょう。

施主支給のメリット・デメリット
　施主支給のメリットは、自分で好きな商品を選べること、費用を抑えられる可能性があることです。ネット通販などを活用すれば、豊富な種類の商品から、自分の予算や好みに合ったものを選ぶことができます。また、工務店や建築会社を通さずに直接購入することで、中間マージンをカットし、費用を抑えることができる場合があります。

　一方、デメリットは、自分で手配する手間がかかること、取付業者との連携が必要になること、保証の問題が発生する可能性があることです。商品の選定から購入、納品まで、全て自分で手配する必要があります。また、取付業者との日程調整や、商品の搬入なども自分で行う必要があります。さらに、施主支給の場合、商品の保証がメーカー保証のみとなる場合があり、取付業者による保証が受けられないことがあります。

施主支給の注意点
事前に工務店や建築会社に施主支給が可能かどうか確認し、了解を得ておく必要があります。工務店や建築会社によっては、施主支給を認めていない場合や、施主支給の場合に追加費用が発生する場合があります。また、商品の規格や納期、取付方法などについて、事前にしっかりと打ち合わせを行いましょう。特に、海外製品や特殊な製品の場合、取付方法が複雑だったり、必要な部品が不足していたりする場合があります。

事前にしっかりと打ち合わせを行うことで、取付時のトラブルを防ぐことができます。また、施主支給する商品の選定にあたっては、工務店や建築会社に相談し、専門的なアドバイスをもらうのがおすすめです。商品の品質や安全性、耐久性などを考慮し、信頼できるメーカーの商品を選びましょう。施主支給は、うまく活用すれば費用を抑えたり、自分の好みに合った商品を選んだりすることができますが、注意点も多く存在します。事前にしっかりと検討し、準備を行うことが重要です。

3.まとめ：ネット購入を成功させるために

事前の確認と業者選びが重要
　ネットでトイレや洗面台を購入する際は、製品の規格や適合性、必要な部品の確認を徹底し、信頼できる取付業者を選びましょう。

　事前にしっかりと相談し、納得のいく形でリフォームを進めることが大切です。

　ネット購入は、実店舗で購入するよりも安価に購入できる可能性がありますが、取付に関するリスクも伴います。事前にしっかりと確認することで、これらのリスクを最小限に抑えることができます。信頼できる取付業者を選ぶことで、安心してリフォームを進めることができます。

また、リフォーム後も、定期的なメンテナンスを行うことで、長く快適に利用することができます。メンテナンスの方法や頻度については、取付業者に相談するのがおすすめです。ネット購入を成功させるためには、事前の準備と情報収集が不可欠です。信頼できる情報源から情報を収集し、慎重に検討しましょう。

コラム作成者：三谷匡俊　リフォーム＆増改築えさか店長

リフォームアドバイザーとして6年の経験を持ち、お客様へのヒアリングからプラン作成、現場との連携まで幅広く担当。年間200件のリフォーム相談に対応しています。「リフォーム後の暮らしがもっと楽しく、快適になるように」という想いで、役立つ情報を発信しています。皆様のリフォーム計画のヒントになれば幸いです。　

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